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平成26年7月、厚生労働省より『「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会報告書』が発表されました。報告書において、今後「正社員」と、派遣・契約社員・パートタイマー等の「非正規雇用の労働者」の働き方の二極化を緩和し、労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バランスと、企業による優秀な人材の確保や定着を実現するため、職務や勤務地、労働時間を限定した「多様な正社員」を労使双方にとって望ましい形で普及させる、と取りまとめられています。

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多様な正社員とは…


一般に「正社員」とは、

期間の定めのない雇用契約で、
所定労働時間がフルタイムであり、
直接雇用される者

をいいます。「多様な正社員」とは、従来の正社員と比べて、転勤や配置の転換、仕事の内容や勤務時間などが正社員に比べて限定されている正社員のことを言い、限定正社員、ジョブ型正社員などと呼ばれることもあります。多様な正社員の活用は、下記の3つのケースが考えられます。

  1. 「職務地限定正社員」
    勤務地が、他の正社員と比べ限定されている正社員のことです。例えば、勤務地を一つの事業場に限定したり、自宅から通える圏内に事業場を限定されていたり、同一市町村や都道府県など勤務地域が限定されている、などが挙げられます。
    育児や介護などの事情で転勤が難しい者や、多店舗展開をするサービス業での地域のニーズに合ったサービス提供や顧客の確保をするために活用することが想定されています。
  2. 「職務限定正社員」
    職務の内容が、他の正社員と比べて限定されている正社員のことです。例えば販売職として商品の販売業務のみに限定させたり、事務職として経理のみの業務に限定したり、と会社の職務を区分したうえで、職務内容が固定されている正社員と言えます。金融やITなど、高度で専門的なキャリア形成が必要な職務で、プロフェッショナルとしてキャリア展開していく者や、資格が必要とされる職務で、他の職務と明確に区分できる職務を行う者を育成する場合などに活用されます。
  3. 「短時間正社員」
    所定労働時間や労働日数が正社員に比べて短い正社員のことです。例えば1日の所定労働時間8時間の会社で、1日6時間勤務の社員などがこれにあたります。その他週や月、年の所定労働時間や労働日数を限定する者や時間外労働が免除されている者も短時間正社員と言えます。育児や介護などで長時間の勤務が難しい者について離職を防止し定着させるなど、ライフスタイル・ライフステージに応じた様々な働き方に対応し、人材の定着を図る目的等で活用されます。
    短時間正社員制度については、厚生労働省において制度導入のための支援ナビを開設しています。

厚生労働省「短時間正社員制度支援ナビ」についてはこちら

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雇用管理上の注意点


労働条件の明示・就業規則の整備

雇用契約において労働条件を書面で明示することが求められていますが、その際に「勤務地」や「職務内容」の限定の内容についてはっきりと明示しておくことが、その後の労使間トラブルの未然防止につながります。これによって労働者にとってもキャリア形成の見通しや、ワーク・ライフ・バランスの実現が容易になり、働きやすい職場の提供によって優秀な人材の確保につながるります。
その他、対象従業員に適用される就業規則を整備する必要があります。

就業規則・雇用契約についてはこちら

転換制度の設定

契約社員やパートタイマーなどの非正規雇用から多様な正社員への転換制度などを設けることによって、雇用の安定を図り、労働者のモチベーションアップやキャリアアップにつなげることができます。正社員として登用するには人件費や要員計画等の観点からすぐには難しい場合でも「多様な正社員」という制度を設けることは優秀な人材の流出を防ぐことにもつながるでしょう。

また、正社員と多様な正社員の間の転換制度を設けることも有益です。例えば、正社員として登用されていたが、出産・育児のためフルタイムの勤務が難しくなった場合など、一旦短時間正社員へ転換することで、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現やモチベーション維持につなげることができます。

ただし、転換制度の活用促進や労使の紛争防止のため、転換の規定を就業規則等に明示し、社内制度として明確にすることが望まれます。また転換は重要な労働条件の変更になりますので、転換時には必ず労働者本人の同意を得ることも必要です。なお、転換制度を導入し、実際に従業員に対し転換制度を適用した場合は雇用関係の助成金の対象となる場合があります(キャリアアップ助成金「多様な正社員コース」)。

キャリアアップ助成金「多様な正社員コース」はこちら

均等処遇の確保

「正社員」と「多様な正社員」との双方に不公平感を与えず、またモチベーション維持のため賃金水準、昇進・昇格等の処遇の均衡を図ることが望まれます。例えば「短時間正社員」の場合、正社員と職務内容や責任の度合いが同じであるならば、時間換算した賃金は同等であることが良いでしょう。その他勤務地や職務などの限定の仕方は各社各様のため、どのように処遇均衡を図るかについては、労使で十分に話し合うことが必要です。

制度設計・導入・運用に当たって理解を得るための活動

多様な正社員制度が円滑に導入・運用できるよう、制度の設計に当たっては、労働者に対する十分な情報提供と協議を経て理解を得ることが大切です。また制度運用にあたっては、様々な労働者の利益が損なわれないよう、労使のコミュニケーションを密にすることも重要です。

続きはこちらから…<人事評価制度・賃金制度の設計>


労働者のワーク・ライフ・バランスの実現が叫ばれるなか、大企業では徐々に「多様な正社員制度」が浸透しつつあります。労働環境の向上は、労働者本人のキャリアアップやモチベーションアップ、企業にとっては優秀な人材の確保や定着につながります。ぜひ「多様な正社員制度」の検討をしてみてはいかがでしょうか?導入に際しては、制度の設計、就業規則の作成・変更、雇用契約書の作成、賃金制度の整備、労務管理等やらなければならないことは多いですが、当事務所に任せれば安心♪

社会保険労務士事務所カルテットでは、制度導入のための総合的なサポートを迅速・丁寧に行って参ります。福岡県内はもちろんのこと、南は鹿児島県に至るまで、九州各県対応できます。

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