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介護業界や建設業界では、人手不足の解消や、海外への技術支援の一環としての技能実習生の受入れなど、積極的に外国人を採用する企業が増えています。コンビニのレジや飲食店のホールスタッフなど、外国人が働く姿を見る機会も多くなり、街に出れば留学生や海外からの観光客などを毎日のように見かけます。

ところで、外国人を雇用する際、どんなことに気を付けなければならないのでしょうか?
また、特別な手続きが必要なのでしょうか?
このページでは外国人の雇用管理についてご紹介したいと思います。

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在留カードの確認


面接等で採用を決定した場合、まずしなければならないこと、それは在留カードより「在留資格」「在留期間」の確認です。在留資格には、

  • 「就労目的で在留が認められるもの」
    (例:教授、芸術、企業内転勤など)
  • 「身分に基づき在留する者」
    (例:永住者、日本人の配偶者など)
  • 「その他の在留資格」
    (例:技能実習、ワーキングホリデー等の特定活動など)
  • 「就労活動が認められていない在留資格」
    (例:留学、家族滞在など)

があり、それぞれに応じて在留期間が3ヵ月から5年の範囲(一部無期限あり)で決まっています。在留カードの表面には「在留資格」と「就労制限の有無」、「在留期間」が中央付近に記載されていますので確認しましょう。また在留資格が「留学」「家族滞在」などで就労不可の場合も一部制限(1週間あたり28時間以内の就労など)はありますが資格外活動として認められている場合があります。裏面の「資格外活動許可欄」や資格外活動許可証等で活動内容を確認してみてください。その他旅券(パスポート)や資格外活動許可証、就労資格証明書等でも就労可否は確認できます。

在留期間を過ぎている、在留資格がない、在留資格があっても資格外活動の許可がない、このような場合は不法就労として本人については「資格外活動罪」や「不法残留罪」、また事業主についても「不法就労助長罪」として厳しく罰せられますので注意が必要です。

ポイント

 

採用に際しての注意点

募集や採用の際に国籍が外国であること、また外国人であることをもって差別しないよう、公正な採用の選考が求められます。また、外国人のみを対象とすることもできません(雇用対策法)。その他、外国人であっても労働基準法や労働安全衛生法、健康保険法など労働関係・社会保険諸法令が適用されます。労働条件通知書の明示等も日本人同様書面で行うこととしますが(希望のあった場合は電子メールでも可)、まだ国外に居住している場合は渡航費用の負担や住居の確保等の条件も明確にしておいた方がよいでしょう。また採用決定時には相手言語も表示した雇用契約書を交わすと良いでしょう。

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ハローワークへの届出


書類選考、面接試験を経て晴れて採用決定、その後は雇用対策法に基づき、氏名や在留資格をハローワークへ届け出ることが義務付けられています(在留資格が「特別永住者」の場合を除きます)。これは雇入れ時のみでなく、離職の際も同様です。

  1. 雇用保険の被保険者となる外国人の場合
    雇用保険の資格対象となる者については日本人の要件と同様です。資格取得届についても同様の様式を用いますが、下部(資格喪失時は裏面)の「18.備考欄」に「国籍」、「在留資格」、「在留期間」、「資格外活動の許可の有無」の欄がありますのでこちらを記載してハローワークへ提出することになります。提出期限は通常の場合同様資格取得時は翌月10日まで、離職時は離職の日の翌日から10日以内となっています。
  2. 雇用保険の被保険者でない外国人の場合
    短期間・短時間の勤務で雇用保険の対象とならない外国人を雇い入れた際は、「外国人雇用状況届出書」を提出しなければなりません。こちらは雇入れ時、離職時の場合共に翌月の末日までにハローワークへ提出します。なお、この届出はインターネットを経由して行うこともできます。
    (厚生労働省 外国人雇用状況届出システムはこちら

外国人雇用状況届出書

「外国人雇用状況届」の見本※クリックすると拡大します。

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社会保険の手続き


外国人の雇用に関して、社会保険の資格要件は日本人と何ら変わりません。フルタイムの従業員はもちろんのこと、4分の3要件を満たすパートタイマー等であれば加入が義務づけられます。ただし、「ローマ字氏名届」が必要だったり、被扶養配偶者等が日本人の場合、住民票の添付が必要な場合がありますので注意が必要です。

厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届

 厚生年金保険ローマ字氏名届の見本※クリックすると拡大します。

ポイント

 

脱退一時金について

外国人労働者で日本国籍を有しない方が、退職などで国民年金、又は厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、帰国等日本を出国した場合には脱退一時金を請求することができます。請求期間は日本に住所を有しなくなった日から2年以内となっています。

ポイント

 

その他外国人の雇用管理に関して…

外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、雇用労務責任者を選任する必要があります(届出は不要)。雇用労務責任者は「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」に則り、適正な労働条件の確保、安全衛生の確保、教育訓練、福利厚生等外国人の雇用管理をしなければなりません。

従業員に関する各種手続きについてはこちら

 続きはこちらから…<多様な正社員制度の導入>


外国人の雇用には上記のような各種手続きが必要となりますが、それ以上に言語や文化・慣習の違い、宗教に対しての配慮が必要になります。例えば、日本人は時間厳守を重んじますが、外国人の場合はその感覚を持ち合わせていない人もいるでしょう。逆に、宗教を重んじる姿勢は雇用する側が理解しなければならない場合が多いようです。

価値観や文化の違いを認識し、理解し、尊重し合うことでより良い雇用関係が築ければベストですね。握手する外国人と通訳さん